その日、僕は思い出したのです。
「風曜日の月」なんていうアンニュイな名前を付けてブログを始めたその理由を。
それは、片手の指の数しかいない知り合いとの日常を垂れ流すためではなく、ちょっとノートリアスな奴を見かけては少人数で殴りかかる荒んだ青春日記のためのものでもなく、忍ぶれど色にでりけりわが忍者への想いを吐き出すためですらなく。
終わりゆく僕らのヴァナ・ディールの風景を、せめてポエムと共に写真に残して自分用思い出アルバムを作ろうとか黒歴史ってレベルじゃねーぞ。
現状を顧みるとどうしてこうなった状態で初日以外そんな設定ぶっとんでるわけですが、アルバム用に撮りためた写真を整理していたら、今日はやけに(ポエムを綴るための)右手が疼きやがるんだぜ。これは黒歴史不可避の予感。
てわけで、今後も少人数で色々突撃しては転がる日々の記録の方が多いとは思いますが!唐突に!テロ的に!思い出アルバム第一弾はっじまるよー!
所属国の選択がありますよね、最初に。自分の分身作成や名前と違ってこれは即決でした。
好きな色は淡いブルーかグリーン。忍者好き!もそうですが、僕は大体ビジュアルから入るタイプです。ブルーの方はどうやら工房都市で、グリーンが学術都市。学術都市は小柄なタルタルの諸部族による連邦国家。ふむ。ガンダルフがホビットに囲まれて冒険したように、僕も敢えて他種族でタルタルとやらに囲まれて冒険できちゃうかも?という煩悩まっしぐらで選択。加えて、神子の宣託がどうのとかいう神秘的な文章にも若干惹かれました。
オープニングは森の区でした。ナナ・ミーゴとスターオニオンズのやり取りを見守った後、あたりを見回すと学術都市とか神子の宣託とかドコー?ってのが第一印象。のんびりした音楽もあいまって、平和な片田舎というイメージ。
MMORPGは初めてですが、それまでのRPGと同様、まずは街の住人全員に話しかけようとした僕はわりとすぐに諦めました。ウィンダス広すぎ。道が曲がりくねりすぎ。伊能忠敬さんも測量投げ出すレベル。今なら目をつぶってもモグハウスから森の区のガード前まで移動できますけどね。
散々歩き回って、元来た道がわからなくなって、日も暮れて。
そうして、この国が夜になってから。
玄関脇に並ぶ、黄色い大きな花弁から滴る光に。
お腹が空いたとか寝言を言ってるとか自由すぎるタルタル達の、研究所らしき建物の裏手で。
さっき見た場所と同じ場所なのに、全く違う様子の風景に。
確かに僕はファンタジーの世界に足を踏み入れたのだと実感したのでした。
その後、冒険者としてゆっくりながら成長していった僕は、天の塔を訪れ、この国の中枢機関には夜が広がっているんだと、そんな風にひとりよがることになります。そもそも、ウィンダスミッションの重要ワードは、星の神子、星詠み、月詠み、星月の加護、満月の泉、と夜繋がりのオンパレードだし。
もし、天の塔の星登りの扉をくぐる機会があれば、階段を登りきった先の天球儀や、
更にその奥、羅星の間の天文泉や、天井の手描きであろう夜空を見ていただきたく。
この国の本質は夜にあるんだという僕のひとりよがりな思いが、ごくわずかでもご理解いただけるんじゃないかと思います。
1. 無題
いきなり告白してすみません。
忍者語りの熱いリビドーに一目惚れし、その後の青春日記にほとばしるパトスとエスプリを恭敬し、日々こっそり楽しませていただいておりましたが、こんな素晴らしい最終兵器を隠し持っておられたとは。
こういう物語、大好きです。しかも、個人的に大好きな魔法の国の、大好きな夜のイメージがテーマときて、あまりに幸せで空気を読まずコメントしてしまいました。失礼しました。
ぜひまた美しいSSとともに、こうしたポエムを読ませてください。
今後とも黒歴史の量産をお祈りしております。