自己満足の極みだけどキニシナイ「思い出アルバム」シリーズ第4弾は、「初めてのPT」と「初めてのtell」。
半年前のものになりますが、毎年5月に確認できる冒険者達の秘密の情報です。
この、「チャット回数197万」が、多いほうなのか少ないほうなのかわかりませんが、197万の中の「初めてのtell」を覚えています。それは「パーティ参加回数8512」の中の「1回目」に纏わる出来事です。
永田泰大さんの「ヴァナディール滞在記」を読んで熱にうかされた僕は、勢いでFF11プレイヤーとなったわけですが、その日はまだ1人ぼっち。ゲーム開始から3回目か4回目あたりのログインなので当然といえば当然です。黙々と街中のクエをこなしたり、ソロでちょっとサルタに出てみて蜂を殴ったり、やっていることはオフラインゲームと変わりません。
それでも、ウィンダスの街で時折流れるLS勧誘シャウトや、友達同士でじゃれ合っているようなエモートの応酬を目にするだけで興奮したことを覚えています。だって、すれ違う「白い名前の人たち」は日本各地からこの世界に接続している誰かで、そんな誰かと1つの世界を共有しているんだと、そんな風に思うだけで、もう、ワクワクしっぱなしでした。
ソレが突然訪れたのは、確か森の区の競売前だったような。
大勢のプレイヤーと共有する世界で、だけど、1人ポツンと居た僕に、突然、一条の紫が流れたのです。
>>> パーティしませんか?
どっくん、と心臓が飛びはねるような心地だったことを覚えています。そして、その紫色の文字を見つめ、酷く戸惑ったことも。
言葉の一字一句を覚えているわけではありません。覚えていることは2つ。シンプルな敬語だったということ。そして、このときの僕は、もらったtellに対して返事をする方法を知らなかったということです。
このあたりの記憶は少し曖昧なんですけど。tellでイエスもノーも返せなかった僕なのに、なぜかそのままtell主と「初めてのPT」を組むことに成功したんですよね。どうやって組めたのか今でも不思議。そして、そのまま2人でサルタで狩りをすることになったのでした。
東サルタで合流したtellの主はタルタル族の男性でした。自分はPTプレイの経験者だから大丈夫というようなことをしきりにPTチャットで言っていたような気がします。彼がサポを持っていたかは覚えていないんですが、彼にとってはセカンドジョブのレベル上げになるというようなことを言っていたかな。
色々話しかけてくれる彼に対して、tellもPTチャットもできない(知らない)僕は、たまにSayで「はい」だの「なるほど」だのと短い相槌をうつのみ。そもそも、彼の後を追いながらモンスターを殴るだけで精一杯だったので返事も思うようにできなかったような。必死すぎて、PTチャットにSayで返事をする奇妙さにも違和感がなかったんですが、これは後で思い返すと、おかしな2人だったよなあ、と少し笑えました。
PTプレイによる狩りが始まると、饒舌だった彼が段々とおとなしくなっていき「経験値がマズイ」みたいなことをしきりに言い出したことを覚えています。実際、僕も、ソロでやった時よりもらえる経験が低いなあとは思っていました。
このへんの記憶も少し曖昧なのですが、居心地の悪い空気の中、彼が突然「PTの解散」を宣言し、僕と彼のPTは30分もたたずに終了することになりました。彼は、僕をサルタの門あたりまで誘導してくれると、僕が別れを告げる間もなくPTを解散させ、そのまま街の中へ消えてゆきました。
突然始まって突然終わった、僕の初めてのPT。なぜ、彼が解散を言い出したのか、僕が何か気に障るようなことをしてしまったのかと悶々とした記憶があります。今なら、彼が意気消沈してゆき解散を決めた理由が、本当に、彼の予想外に「経験値がマズイ」からだったと思えるんですけどね。
当時の僕のレベルはせいぜい5か6あたり。PTプレイを楽しむには時期尚早で、サルタあたりの弱いモンスターを2人で狩ると、当時は絶望的に経験値がマズかったはずです。彼はPTプレイ経験があると言っていたので、初心者らしき僕を先輩としてお世話してくれるつもりだったのではないでしょうか。自分がファーストジョブのレベル10以上で経験した「つよ以上のモンスターをバランスの取れたフルPTで狩る」イメージで始めたら、そりゃあ経験値は酷いわけです。だからばつが悪かったんじゃないかなあ。
なお、僕の「初めてのtell」の話はここからなんですけど。
初めてのPTの翌日だったか翌々日。もしかして、もう少し日にちがあいたかもしれません。「プレイヤー名をサーチしてtellする」方法を覚えた僕は、あのタルタルの男性の名前をサーチしました。ほんのりストーカーっぽい行動ですが、お礼のtellがしたかったんです。
始終居心地が悪いPTではあったけれど、それでも、僕の初めてのPTです。初心者だった僕を誘ってくれたのに、返事もまともにできず、別れの挨拶もできず。せめて「誘ってくれてありがとう」くらいは言いたいなと。
サーチで彼を見つけた時は、突然tellをもらったあの時と同じくらい心臓がどっくんと脈打ったことを覚えています。確か、その後、数分か数十分か、tellをするのを迷いました。少し日が経っていたから今更じゃないかと。でも、彼がtellをくれたのが唐突だったので僕が唐突にtellをしたっていいはず、という謎理論の元、覚悟を決めると、
>>> 先日はありがとうございました
僕はゆっくりとキーボードを叩いたのでした。
この後、彼からどういった返事があったのかは覚えていません。
強烈な記憶がないので、無難な返事をもらったんだと思います。
意気投合してフレになった、とかいう後日談もありません。
すばらしいPTとは言いがたくすばらしい後日談があるわけではないけれど、それでもあの一条の紫が、僕をソロRPGからMMORPGの世界にいざなってくれた出来事だったんだよなあと、今なら優しい気持ちで思い出せます。
1. 無題
Re:無題